2008.11.24@札幌/KLUB COUNTER ACTION
ロストエイジのたからさがしツアー2008

1.AMPLIFIED TEENAGE STRESSES AND STRAINS
2.RED
3.ドラマ・ロゴス
4.PURE HONEY
5.テレピン、叫ぶ
6.母乳
7.TELEVISION CITY
8.手紙
9.DIG
10.MIND JIVE
11.脳にはビート 眠りには愛を

〜encore〜
12.DAILY NEWS
13.人間ロボット

カウンターアクションは客席を通ってステージを出入りする。天井の低いハコです。この日のお客の入りはたぶん7、8割くらい。男性がけっこう多い。

4人がそれぞれ楽器を持って表れて、セッティングしてからそのまま演奏開始。五味兄が片手にタンバリンを持って「ATS&S」、これが1曲目というのは良いですね。テンションあがる!気持ちよくグルーヴする2本のギターを支えて雄弁に歌う重たいベースと、床と空気を震わせるドラム。そこに兄の歌声が乗った瞬間に思わず震えが。

「RED」、少しテンポを落として包み込むように「ドラマ・ロゴス」と続く。初っ端から音で描き出されるイメージの多様さに翻弄される。勢いはありつつも、特に序盤は丁寧な演奏だったと思います。最初、兄が自分達の音を探るような表情をしていたのはたぶん私の気のせいではない、と思う・・・。でも途中からは明らかに目が笑ってました。あ、大丈夫そう・・・・・・・・。楽しそうだ。あー、よかった!

次第に前にいる3人の動きがだんだん大きくなっていく。随所で笑顔全開なのは拓人君、あの笑顔には見てるこっちまで引きずられてしまいます。「PURE HONEY」、「母乳」のコーラスが秀逸だった中野君。なんだか彼は、・・・とてもいい。黙々とやってるようにみえて突然マイクスタンドを倒したりバスドラに飛び乗ったり、ふらっと後ろに倒れていったと思ったらギターを抱えたまま、くるりと後転していたり、静かに白熱していっていきなり壊れるあの感じ。彼が本気で振りきれたらどうなるんだろうと思うとワクワクします(笑)。岩城君は、もう最初から動きまくり。「テレピン」のドラムソロがやはりいちばんの見せ場だったかと思いますが(このソロのとき、兄が右手のひらを後ろ向きに耳に当てて目を閉じて気持ち良さそうに彼の音を聴いていた)、それにしてもあのほっそりした姿からは考えられないような叩きっぷりと音でした。あと「テレピン」の編成、いいですね。中野君には嘘みたいに黒のベースが似合ってるし、兄がタンバリンを片手にした姿がものすごくカッコイイ!

合間に入る五味兄のMCは実にぼそぼそと、演奏中とは別人のよう。間違っても立て板に水という感じではないけれども、言葉を選んできちんと伝えようとしているという印象です。メンバーが変わったりとかいろいろあってミニアルバムを出して、1年2ヶ月ぶりの札幌ですということ。今回L!EFの企画と一緒にやらせてもらっていることへ感謝。この日のMCでは何度も「ありがとう」という言葉が聞かれました。lostageは奈良が地元なので、どこか他の場所から奈良にバンドが来たときにはこんなふうに手伝うことができたらいいなと思うということ。札幌のあと、渋谷のワンマンでツアーを終えること。いまレコーディング中で、来年アルバムを出したらまた札幌にも来ますということなど。

「DIG」、「MIND JIVE」で良い具合にに脳髄を掻き回されたあと、本編最後に「脳にはビート 眠りには愛を」。イントロのベースの深い不穏な響きに鳥肌が立つ・・・・・。兄の声に寄り添う中野君のコーラスが素晴らしかったです。

曲が終わったあとの拍手がそのままアンコールを呼ぶ手拍子になって止まらず、それに気づいた兄がマイクの前に戻ってきて「ありがとうございます。でもまだこのあと出るバンドがあるので・・・」と気を遣いながらも客席後方に向かって「やってもいいですか?時間は大丈夫?・・・・・それじゃあ」と!選ばれたのは「DAILY NEWS」と「人間ロボット」。最後の最後にまた重量級なのを立て続けに鳴らされて、頭クラクラで終了。

圧倒されました。ものすごい満足感でしばし呆然。ほかのお客さんたちも大騒ぎとか大暴れという感じではなかったけれど、バンドの気迫にきちんと反応してすごく集中して相対していたと思う。そのくらい吸引力があった。アンコールをやることになったときに兄が「何をやったらいいですか」と客席に声をかけたのにお客さんから返事がなくて、苦笑気味に「聞かれても困りますよね」と、ぼそりと自虐的に突っ込ませてしまった。・・・というかあんな演奏をされたら威圧されて動けなくなっても仕方ない気がします!少なくとも私はそうだったのですが、それにしてもそこで打てば響くように答えられなかったのを、個人的にものすごく後悔しています。

今度は即座に答えられるように心の準備をしておきますので、是非また札幌に来て、この次も「何をやったらいいですか」と云ってください。

Reported by M.