2010.3.13@十三/FANDANGO
speshall vol.6 spirit page "Periodic Sentence" rerease tour

1.噂
2.ドラマ・ロゴス
3.SUNDAY
4.風を抱いている
5.海の果実
6.SURRENDER

個人的にはLOSTAGEのアコースティック編成のライブを見るのは初めて。期待と不安が入り混じりながら始まるのを待つ。

セッティング中のメンバーを見るに、そんなに緊張している感じでもない。場数もそれなりにこなしてきて、少し余裕が出てきたのかという印象。

とても静かに拓人君のギターから「噂」。五味君の声が全然出ていない。出ていないというか、むしろ引っ込んでいる。バンドアンサンブルもエレクトリックでの阿吽の呼吸とはほど遠く、お互い様子を伺いつつ合わせているというレベル。アレンジ自体は悪くないと思うのだが、演奏自体がとても平坦な感じ。

「噂」の続きかと思うような感じで「ドラマ・ロゴス」。エレクトリックのライブとは真逆の位置づけにあると感じた。『深遠』と言えるくらい静か。この路線で力量が付けば面白い演奏ができるかもしれないとは思った。

とにかく静かで平坦。『アコースティック=静かに演奏する』という感じ。サビ辺りの岩城君のドラムが絡んでくるところも、拓人君のギターがとても弱々しい。もうすこし歯切れ良く演奏した方が曲も絞まると思うのだが。

「SUNDAY」。引き続き平坦で抑揚のない演奏。曲の持っている良さが生かされていない。この路線で行くのなら「SUNDAY」は外した方が良いのでは。

MCを挟んで「風を抱いている」。五味君の2フィンガーに拓人君がアルペジオを重ねていく。アコースティックには向いている曲だと思う。演奏はスタジオで練習しているかのようで、抑揚とリズム感がない。五味君の声があまりに弱い。とても自信無さげに映る。

『どうしたいのか?』が見ている方からも分からないというのが正直な感想。『静かに深遠に』というのが今のところ一番当てはまる表現か。

「海の果実」も同じ調子での歌と演奏が続く。ただ「海の果実」は尺がかなり長い曲なので、この一本調子のアレンジだと聞く方も持たない。何度も言うがこの深遠路線で行くなら選曲を考える必要があるのでは。もしくは大胆にアレンジを変更するか。

「SURRNDER」。この日で唯一良かったです。目の前が晴れていくよう。いいアレンジだ。曲もコンパクトにまとめられていて抑揚がある。生き生きしているというか。これがひとつのヒントかもしれない。

全体的に見て課題は多い。少なくとも五味君はもっと正面から歌と向き合わないといけないと思う。アコギ1本と歌で聞かせるくらいが前提で。アコースティックの柱にあるものは間違いなく「歌」。そこがしっかり立たないと岩城君を加えた演奏も宙に浮いてしまい嵌らないと思う。途中五味君はMCで客の反応に「土曜日やのにしけた顔してんな」と悪態を付いていましたが、しけた顔にさせたのはあなたの歌でありLOSTAGEの演奏なわけで、正直僕はがっかりしました。

このままでは五味君が嫌っていた『BGM』に成り下がってしまうと思う。アコースティックであれエレクトリックであれライブはライブ。そこを見せてもらわないとお客さんも納得しないんじゃないかな。

REPORTED BY robin