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Interview Part 3

作品を聴いてまず僕が思ったのは、前回までのような『重たさ』が無くなったなというのがあります。楽曲がバラエティに富んでいるからなのか、『自由に出来る事を楽しんでいる作品』かなというイメージを持ちました。

五味兄:そうですね。さっき言っていた事も理由になっているかもしれませんが、清水とやったらこの曲はたぶんやってない、出来てないというような曲も入ってるし、そこが変化を見せれる作品になったとも思う。前のアルバムを時間が経ってから聴いてみると、全体的に重い感じというか。良くもあるし悪くもあるけど、どっちの意味でもちょっと重い。曲もいっぱい入ってるし、全部を通して聴いたら結構疲れると思った。今回はせっかくミニアルバムでコンパクトやし、ツルっと楽しくというか、重心を前よりちょっと上げてやれたらと録る段階から言っていて。その辺は出せたかなと。

拓人:前のレコーディングでは「こんなんはどうやろ?」というアイディアを、やる前から「いや、それはないやろ?」みたいに話し合いの段階でボツになることがあって。今回のレコーディングではアイディアがあったら取り合えず1回録音して、後で聴いてみて必要ないなら入れないでおくという感じで。取り合えず全部試してみてから内容を詰めていくっていう。

そうなんですか。

拓人:前のレコーディングのときは「これで」というのが予め決まっていて、それを録音するだけやったんで。だから今回録音スタジオに入るときには5曲しか用意出来てなくて、1曲だけ・・・。

岩城:具体的には4曲やな。

拓人:4曲しか出来ていないのに(スタジオに)入ったんですよ。6曲録ることが決まっていて。

五味兄:まあ形がしっかり固まっていたのが4曲なだけで、曲はめっちゃいっぱいあったんですよ、ネタ的には。

そうなんですか?この6曲以外にもまだあったのですか?

五味兄:むちゃくちゃあったんですよ。でもこの4曲は入れたいというのは決めていて、後の2曲はどうするかというのはあんまり考えてなかった。

拓人:取り合えず録音しながら「じゃあ、こんな曲を入れた方が良いんちゃうか?」みたいなのをスタジオに入ってから作って、その場でそのまま録ったり。

確かに今まではカチッと全部作ってからレコーディングに臨んでいましたよね。相変わらずの短いレコーディング期間でよくそういう感じで出来たなと思いますが?

五味兄:なんかでも結構スムーズに・・・。

拓人:そんなに「うわあ、どうしよう?」という感じではなくて。それ以上にその場で作って、その場ですぐ録れるし、その場で聴けるというので、それが面白くて「じゃあ、こうしよう、こうしよう」って。

五味兄:皆アイディア自体は持っていたから「ヤバイ」みたいな感じではなくて。

拓人:あれもやりたい、これもやりたいって。

五味兄:自分の中のアイディアを上手く形として出していけるかというバランス調節をそこでやった。マイナスのイメージではなかったですね、そこでやるのは。

具体的にはどの曲になるんですか?

拓人:「テレピン、叫ぶ(以下「テレピン」)」と「PURE HONEY」。

五味兄:そうやな。

拓人:「テレピン」に関しては兄貴は一切演奏してないんですよ。中野がベースを弾いて俺がギターで岩ちゃんがドラムでレコーディング・ブースに入って。兄貴はミキシング・ルームで聴きながら「じゃあAを8回やって、Bを8回やれ」みたいな感じで俺らに指示を出して。その通りにやって録音して、「いや、やっぱりここでサビに行こう!」って指示する係りやった(笑)。

五味兄:あれ面白かった(笑)。

中野:実は俺はあのネタは結構練って持って来てたんですよ、めっちゃ(笑)。

「テレピン」をですか?

中野:そうそうそう。

拓人:元ネタを中野っちが持って来てたんですよ。

中野:そう。なのに、全部「じゃあ、そこはそれで」となって(笑)。

五味兄:そこで全部説明してもらってたら時間が掛かるなと思って、こっちでまとめた方が早いわってなって。

中野:まあ出来たものがおもろかったからええかみたいな(笑)。

せっかく練ってきたのに、中野君的にはそれでOKだったのですか?

中野:出来たものが良かったから。

中野君が持って来たものと最終的に出来たものはそんなに違うのですか?

拓人:全然違うな。はじめ「Blonde Redheadみたいな感じで」って言ってたやんな(笑)。

中野:はははははは(笑)

それ本当に全然違うじゃないですか(笑)。

五味兄:それ始めのベースのフレーズだけやん(笑)。

Blonde Redheadみたいな感じだったのですか?

拓人:ベースでアイディアを持って来たから。

五味兄:中野が曲を説明するのにベースを弾きだしたから、「じゃあ、そのまま録ろう」みたいな感じになって。

中野:五味っちが弾いたらええのに「お前、弾け!」みたいになって。

五味兄:一々教えてもらってやるのも面倒くさいじゃないですか。せっかくやし録る余裕もあったから。

中野:でもあの時だけちょっと下手やな、あのベース(笑)。

五味兄:結構ええであれ。

本人は気になるんですか?

中野:やっぱりちゃんと弾いて欲しかった。でもやっぱり音は違う音に変えて。

拓人:「普段兄貴が出さへん音にしよう」って2人で変えて。

五味兄:なんかエフェクター繋いで。何やったっけ?ファズ?

岩城:ラット。

五味兄:ラットか。(違う音にして)やったりして面白かったです。

「テレピン」には岩城君のドラムソロが入っていますよね。

五味兄:あれは何か・・・、あれ何やったっけ?(笑)

岩城:あれも何か途中で1回止まるでしょ?

止まりますね。

岩城:止まって、「ここでリズムとか関係無しでドラムソロ」とか(五味兄が)言い出して。

一同笑い

拓人:司令塔やな(笑)。

岩城:「えーー!?」と思って。「そんなん急に無理やで!」と思って。

五味兄:岩ちゃんは「じゃあ、暫くちょっと考えてくる」って言って。

岩城:「ちょっと練習するわ」って言ってバーッと練習して、「OK!」ってなった。

中野:でもあれ良かったよ結果的に。

岩城:まあ結果的に何か、どうなんかなあ?あれは曲として成り立ってるんかなあ。

拓人:フハハハハ(笑)

五味兄:だってあれはライブでやったら絶対面白いって(笑)。

岩城:面白いな、たぶん。

五味兄:あれはスタジオで録ってから、それをライブで再現するために練習してるって感じなんですよ。

「どうや!」みたいなドラムソロじゃなくて、曲の中で面白いアクセントになっていますよね。

岩城:そうですね。ちょっと休憩みたいな。ブレイクみたいな。

最初聴いたらボンゾ(ジョン・ボーナム)やなと思いましたけどね(笑)。

一同笑い

五味兄:ボンゾ的ドラムソロ。

岩城:その時それしか思いつかなかったですね(笑)。

それでボンゾ的アプローチで叩いた訳ですね?

岩城:はい、そうですね。

拓人:だからそこで笑ってもらえたら(笑)。

岩城:うん、ネタ(笑)。

五味兄:そういうのをネタとして笑って、知らない人が聴いても面白いと思えてみたいに。

そういう遊び心も入ってるという?

岩城:そう、そう。

一同笑い

岩城:結構、余裕があった(笑)。

大人ですね(笑)。「PURE HONEY」なんかもそうですけど、全体的に岩城君が楽しそうに叩いてるなというイメージがありますよね。

岩城:結構、楽しかったですよ。今までやったことのない演奏ばっかりだったんで。

ギターに関して言うと、拓人君は相棒が変わったということで、今までと違うアプローチを試みたことなどありましたか?

拓人:元々中野も前のバンドをやっていたし、今このバンドについても一番客観的に見ている部分があって。

中野君が?

拓人:はい。僕はこのバンドでずっとギターだけでやってきて、ギターのことばっかりでやってしまう部分があるけど、中野は僕が見えていない大きな目線で曲全体を見てギター・パートを作ってくるから。そこはすごく学びましたね。

ファンが見ていて最近一番変わったなと思うのは拓人君だと思うんですね。blogを始めたというのもあるし、MCでもよくしゃべる様になったじゃないですか?

拓人:それはしみちゃんが抜けて、1人のプレーヤーとしてこれからどうしようかと考えたときに、もっと自分の色というか、個人のプレイヤーとしての立ち位置みたいなものを、もうちょっと確立したいって思ったし。そこは兄貴からも言われたし、1プレーヤーとしての自覚を持ちたいというのもあったし。だからblogを始めるときも兄貴に「どうしようかな?」と相談したし。それで「やった方が良いと思う」って。

相談したんですか?

五味兄:そんなんさあ。1プレーヤーとしての自覚とかいう話をしてる兄弟なんて気持ち悪い(笑)。

一同笑い

五味兄:今思ったけど。

普通の兄弟はしないでしょうね(笑)。

五味兄:ありえないですよね。

はい(笑)。

五味兄:だいぶん気持ち悪い(笑)。

拓人:でもそこはもう、今までずっと一緒に住んでいて、去年ぐらいから別々に住んでいるんですけど、一緒にライブやったりとか、スタジオで練習したりしているときは兄弟という感覚は無いですね。

五味兄:そうやな。それはどんどん無くなっていってますよね。

前のインタビューで「ロックの王道的なところをもっと出したい」とよく言っていましたが?

五味兄:ああ、はいはい。

今回それはどの程度?

拓人:それはちょっとだけね。それをもっと出したいというのはあるけど、技術がまだ自分の中で追い付いていない。

「王道的」というのは具体的にどんな部分ですか?

五味兄:ロックの様式美みたいなところ。例えばハードロックで言うと、「ここでギターソロ来ました」とか。

拓人:「こう来るやろう」っていうところで「来る」っていう。分かってるけど気持ち良いみたいな。

五味兄:笑点みたいな。吉本新喜劇みたいな。

拓人:「それはないで〜?」みたいな感じ。言うの分かってるけど面白いっていう。

そこに挑戦している訳ですね。

五味兄:今までは敢えてそれを避けてやってきたってみたいな感じやったから。

どっちかと言うとそうですよね。

拓人:どっちかと言う今まではと変なことをやった方がカッコ良いと。

五味兄:そういうのは今までやってきたし、違うアプローチを考えた時にそうなった。

中野君はlostageとして初のレコーディングだった訳ですが、いかがでしたか?

中野:今回楽しかったですよ。

どういう目線でレコーディングに当たったのかとか知りたいところですね。ファンの人も中野君がどんな人なのかほとんど知らないと思いますし。

五味兄:中野がもっと露出していこう。だってblogやってる訳でもなく、ライブでめっちゃしゃべる訳でもないから、たぶん全然分からんと思う。俺らは知ってるけど、めっちゃ鬱陶しいヤツやと思われてるかもしれんし。

一同笑い

五味兄:「何なん、あいつ後から入ったのに」って(笑)。

拓人:それか逆に「それは答えられないです」みたいな。

五味兄:いやいや、作らんでええから(笑)。

拓人:そういうのもアリやで(笑)。

五味兄:これから取材で東京に行っても、全部「いや、ちょっとそれは・・・」って(笑)。

拓人:「そこはちょっと控えさせてもらいます」って(笑)。

中野:えっと、レコーディングに関して?

いや、全体的なので良いですよ。ライブでも皆は中野君ばっかり見ると思うんですよね。今はもう違うかもしれないですけど。

中野:何の話やったっけ?

五味兄:加入してからの・・・

ちょっとズレましたね僕の話は。

中野:ライブに関しては特別何かをしようというのはないですね。無理に何かをしないでおこうって。気を衒ってというか、わざとらしくはならないように。まあそれくらいですね。

自分の中でも随分馴染んできたという印象ですか?

五味兄:佇まい的にも最初からあまり違和感が無かった。まあ付き合いが長いというのもあると思うし。

中野:でも最初のFANDANGOは緊張しましたね。FANDANGOやしみたいな(笑)。

五味兄:そうやな。昔FANDANGOでやってたもんな。

中野:FANDANGOが一番昔からやらせてもらってたところやし、スタッフも知ってる訳じゃないですか。こいつ等に見られるの嫌やなと思って(笑)。一番やり難い、あそこが(笑)。

一番やり難いところで一番最初のライブだったんですね(笑)。ちょっとレコーディングの話からズレますけど、他のインタビューでは聞かないだろうなということを1つ聞きたいと思います。ライブで気になるのが「MIND JIVE」なんですけど・・・。若干違和感を持つ人がいるみたいでして。

五味兄:ああ、イントロとか?

あれはどうなんですか?

五味兄:僕らはさんざんスタジオでも合わせてるし、今のバージョンというか、中野のタイム感にも慣れてるから別に違和感は感じないですけど、皆やっぱ感じますか?

感じている人もいるみたいで。

五味兄:音がですか?ギターの音色がですか?ノリが?

ノリでしょうね。

五味兄:たぶんノリっていうのは人それぞれ絶対的に違うタイム感があるから。「違い」というのも、そもそも前に清水がいて、今は中野がいて、その差があるから気になる。だから前を知っている人が気になるというのは仕方がないし、それを修正するっていうのは違うと思う。今日初めてライブを観た人が感じるものは違和感ではないはずなんですよね。だからそれを昔のに合わせるというのはナンセンスだと思いますけど。今このメンバーでやってる訳で。

分かりました。NEWバージョン、現在のバージョンということですね。中野君は前のバンドではヴォーカルも担当されていましたが、今後は完全にギタリスト一本で行くのですか?

五味兄:最近スタジオで2人でコーラスの練習をやっていて。

中野:この前久しぶりにやったんですけど全然ダメでしたね(笑)。

何をどんな感じでやっているのですか?

中野:CDに入ってるままを。

五味兄:「PURE HONEY」のサビのところを中野がやってるんですけど、あれを再現しようと。

中野:「全然声が出えへん!」みたいな(笑)。

五味兄:練習スタジオのモニター環境というか、コーラスで声を出して合わせる環境というのがまだ整っていないので。今までやってなかったし、それもあると思う。

中野:模索中です。

五味兄:大概めちゃくちゃですよ(笑)。

ライブでやるんですよね?

拓人:まあ出来た方が良いなと自分らでも思うし。

中野:出来るように・・・。

五味兄:絶対やるやろ?

中野:出来るようにこれから練習する。

楽しみですね。

五味兄:コーラスとか増えたら面白いかなと思うし。

そうですよね。1回も無かったですもんね、コーラスに関しては。

五味兄:せっかく出来るやつが入ったんやから。

勿体無いですよね。「母乳」に関してですが、曲名云々でラジオに流せないということでblogに書かれていましたが、結局「母乳」としてCDに入っていますよね。どんな擦った揉んだがあったのですか?

五味兄:曲名が戻ったことの説明を僕がblogでしていなかったので、いつか書かないとあかんなと思っていたんですけど。ラジオで流せないという訳ではなくて。例えば会社の担当者がラジオなりで「『母乳』という曲を流して下さい」とか、「何かのタイアップにして下さい」と持って行ったときに、「いや、そのタイトルでは」みたいな感じになる可能性があるということで。僕らみたいに元々そんなに売れている訳でもないバンドの曲をラジオとかで流してもらうっていうときに可能性がちょっとでも少なくなると損をする。だからそうじゃない方を、ラジオで流れる回数が増えるんやったら変えようかって感じになったんですけど、「母乳」ってタイトル良いなあとは思っていて。それで仮タイトルを別に用意してレコーディングに臨んだんですけど、皆その曲のことを「母乳、母乳」って言って。それで「母乳」以外のタイトルでしっくりくるものが無いなあって。

ちなみにその別の候補というのは?

五味兄:別の候補は・・・

中野:「ママ」。

一同笑い

「ママ」ですか?(笑)

五味兄:母親の母性愛的なイメージのタイトルにしたいなと思っていたんですよ。

中野:でもあれも結局仮やったな。

そういえば1度セットリストに「ママ」と書いてましたよね?

五味兄:書いてましたね。たぶんその時レコーディングで「母乳」というタイトルとは違うタイトルにしようとしていた時で。

岩城:セットリストには「ママ」って書いてるけど、結局「母乳」って言ってたもんな(笑)。

五味兄:結局「母乳」って言っていて。僕も「母乳」の方が良いと思っていたし、レコード会社の人に「やっぱり『母乳』というタイトルでやって欲しいんです」って言ったら、「じゃあ、分かりました」となって。

レコード会社も受け入れた訳なんですね。

五味兄:そうですね。別に強制はされてなくて。「流せない可能性がある」と言われた時に、僕が勝手にそういう理由で変えるんやったら仕方ないかなと思ったという。

「母乳」は今までにないという部分で、ライブで聴いた人によっては「lostageっぽくない」と思う人もいるみたいですね。僕は「lostageらしい」と思ったんですけどね。

五味兄:それはポップさや、キャッチーさがってことですかね?それは何やろ・・・、例えばスタジオに入って曲を作るってなった時に、出来たものが「これ俺らっぽくないから、止めよう」っていう風になるか、「俺らっぽくないから、やろう」となるかの違い。いろんな曲がどんどん出来てくる中で、自分らが「俺らっぽいから」、「俺らっぽくないから」というジャッジの仕方が変わったというか。今までは「俺らっぽくないから、やらん」って言ってたと思うんですけど、それが変わって俺らっぽくないし、メンバーも変わったし、今が変わったというのを見せられるチャンスやし、「俺らっぽくないから、やろう」っていうふうに決めたという感じですね。

拓人:たぶん僕らが前にライブでもやってなかったり、スタジオで録っただけの曲で、僕ら以外の人が聴いたら「lostageっぽくない」というのは他にもいっぱいあったんですよ。それを今まで出していなかっただけで。それを初めてちゃんと音源として出して、ライブでやった時にそういう風に思う人がいたってことやと思う。

今までお聞きした話を総括すると、今回出したかったテーマは『変化』ということになりそうですね?

五味兄:それはたぶん『変化』ということになると思う。

それぞれアルバムに入っているお気に入りの曲を教えてもらえますか?

拓人:1曲目ですかね。あれの、僕が前に言っていた「王道」というか、「こう来て欲しい」みたいな分かり易い感じと全体のグルーブ感みたいなのが一番個人的に好きかな。

あのグルーブは今までに無かったですよね。ある意味「lostageっぽくない」というか。

五味兄:一番「ぽい」のってどれになりますか?

最後の「脳にはビート 眠りには愛を」ですね。

拓人:あの曲を録音してライブでやれるようになったということで、ちょっと自分の中で自由度が拡がったというか。「こんなんもやって良いんちゃうか?」という風に考えられるようになった曲ではあるかな。

中野君は?

中野:1曲ですか?

いや何曲でも良いですよ。

五味兄:そんなにあるの?(笑)

中野:6曲しかないもんな(笑)。うーん・・・どれもイマイチや(笑)。

一同笑い

中野:「母乳」かなあ。

「母乳」は良い曲ですよね。

中野:「歌を立てたい」というのが自分の中であったんで。ああそうや!それはあったわ、レコーディングするときに!

さっきの話ですね。

中野:「歌を立てたい」というのが絶対あったから、それが上手く出来たと思う。

五味兄:話が全然変わりますけど、メンバーにやっぱり「歌が良い」と言われたらめっちゃ嬉しいですよね。

岩城:そうなんや。

五味兄:そうや。

元々もっと歌を立てた方が良いと思っていた訳ですか?

中野:そうですね。思ってましたね。

五味兄:前から結構ベースはどうでも良いと思っていて・・・。いやどうでも良いとは思ってないけど、例えばベースのフレーズが良いと褒められてもあんまりしっくりこないですけど、メンバーとかに「良い歌や」って言われたら嬉しいですよね。(メンバーに向かって)ありがとう。

一同笑い

「母乳」以外は無いですか?

中野:僕も1曲目かな。気持ち良い。

気持ち良いですね。特にライブが。五味君は?

五味兄:僕も1曲目、2曲目が気に入ってるんですけど。

拓人:でも曲によって全然違う良さがあるから。

五味兄:あ、でも俺変えますわ(笑)。全部良いと思うんですけど、最後の曲(「脳にはビート 眠りには愛を」)が僕らっぽいというか、自分らしさが残せたというか。全然変わってもうたっていう感じになってないし、自分が持ってる手クセとか、今までやってきた事をうまく曲に反映させてまとめることが出来たので最後の曲は結構気に入ってますね。最後の曲のAメロが気にいってます(笑)。

Aメロですか?

五味兄:Aメロのリズムのベースの抜けてる感とかが。ライブでもっとやりたい。

岩城:ふーん。

五味兄:皆あんまり?あんまりか・・・

拓人:長いねん。

五味兄:長いか(笑)。

拓人:他の曲があんまり出来へん(笑)。

この曲がアルバムの最後に入っていて壮大な感じで終わるじゃないですか、ライブともまたちょっと違った感じで。次への伏線じゃないですけど、面白い終わり方ですよね。この曲を最後に持ってきたというのは?

五味兄:広がった感じで終わらしたかったというのはありましたね。次の音源がどうなるかというのは、自分でもまだ分かってないですけど。

拓人:歌詞が「これは遊びさ」で終わっているのが、それが良いですね。「遊びさ」で終わるのが。

またそれは何故?

拓人:「これは遊びさ」、「これは本当さ」って繰り返してるじゃないですか。何故というのはないんですけど、「遊び」というので終わっているのが俺はすごい好き。

岩城君は?

岩城:やっぱりPVも撮ったし「母乳」が一番思い入れがあるんですけど。個人的にはやっぱり最後の曲が、全体的な音の雰囲気が凄い好きですかね。ドラムの音もすごい自分の出したい音ですね。

拓人:あれがドラムの音一番良いな。

岩城:そうそう。「母乳」もそうなんですけど。「母乳」もドラムの音がすごい出したい音なんですけど、最後の曲はグルーブ感というか音の感じが一番気に入ってますね。個人的にですよ。バンド的には全部良いですね。

五味兄:ああいう音の隙間がある曲の方がドラムの音ってええよな。

岩城:良い感じで空気感が出ていて。

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