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今回はいろいろ遡って話を聞いていきたいと思っているのですが、まずお聞きしたいのは中野君の脱退についてです。初めて発表されたのが、11月17日新代田FEVERのライブのアンコールでした。しかもその時に中野君が一人で出てきて、いきなりみたいな・・・(笑)。

五味兄:事情聴取みたい(笑)。

一同笑い

今考えても衝撃的な発表の仕方だなと思って(笑)。その場にいたお客さんも凍りついたようにドン引きだったらしいし、中野君にとってもある意味残酷な選択肢だったのじゃないかなと思いまして。

五味兄:ああ、脱退の発表の仕方がってこと?

はい。

五味兄:あれ、なんであそこで言ったんやったっけ?

岩城:あれでも、「俺が言う」ってなってん。「俺がちゃんと自分で言う」みたいな。

五味兄:あ、中野が?

岩城:うんうん。

あ、そうなのですか?

五味兄:その前、11月に梅田シャングリラでブッチャーズとのライブがあった時点では、まだ誰も知らなかったんですよ。

『そのとき知らない』というのは、メンバーが皆誰も知らないってことですか?

五味兄:そう。

岩城:でもその時、帰りの車で言っててん。

五味兄:なんて?「辞めるわ」って?

岩城:メッチャ酔っ払ってたから。俺は運転で飲んでなかったから。メッチャ酔っ払って、「俺もう辞める」みたいな。

五味兄:前もそう言えばそんな話あったよな。俺知らんかったって(笑)。

岩城:「もう満足した!」って。

五味兄:あっ、ブッチャーズとやれて?

岩城:「ブッチャーズとやれてもう満足した」って。

ああ。

岩城:「もう思い残すことはない」って言ってた。

中野君はブッチャーズ好きでしたからね。

五味兄:その次にスタジオで集まったときに・・・、でもちょっと練習してたんやったっけ?

岩城:いや、してない。セッティングする前に「ちょっと話がある」って。

五味兄:ああ、そうや。機材搬入しているときに「ちょっと話ある」って言われて、それで「辞める」って。それが俺の誕生日の次の日ぐらいやから。

拓人:8日くらい。

五味兄:8日とかそれくらいですね、11月の。で、そこから一発目のライブですよね、FEVERは。で、「年内で」と言われたので。年内って言うても、もう少ししかないじゃないですか。

そうですね。一ヶ月ですものね。

五味兄:だから辞める直前にいきなりファンに話して、『最後に見ておきたい』という人がライブに来れなかったらと思って。関東関西でもライブがあるから、やっぱり来たいと思ってくれる人に来て欲しいし。というので、発表のタイミングをどうするかって話にはなってたんですけど。FEVERで「自分で言う」って話になったんやったっけ?その辺の経緯は俺あんまり覚えてないな。混乱していたから。

岩城:斉藤(正樹)(※1)さんと話して、「言うんやったら今日のライブで言おう」となって。「それやったら俺が自分で言うわ」って、「ちゃんと俺が自分で話しする」って。

五味兄:普通はどういう発表の仕方するんですか?

たぶんねえ・・・

五味兄:WEBとかですか?

普通オフィシャルサイトでまず発表があって。そこからみんな別れを惜しみつつ見に来てみたいな感じですかねえ。

五味兄:ああ。

でも一個思い出した。PAVEMENTが解散を発表したときは、確かグラストンベリー・フェスティバルのステージ上でいきなりだったと思います。一緒にやっているメンバーから見て、そういう兆候はあったのでしょうか?

五味兄:あ、辞めるっていう?

はい。何故こういうことを聞くかというと、こちらから見ていると、すごくうまくいっているように見えていたし、『BONES』収録の「じゃあ、さようなら」もすごく出来が良かったので。「この後どう広がるのやろ?」、「次どうなるのやろ?」ってすごく楽しみだったというのがあって。

五味兄:僕も全く一緒の意見ですよね(笑)。

ああ、そうなのですか(笑)。

五味兄:僕もうまくいっていると思っていたし(笑)、オムニバスの曲も良い曲できたなって思って。今までより突っ込んで考えて作ったというか。この感じでまたアルバムを作ったら面白いんちゃうかなっていう期待もしていたから。

そう。すごく良い流れやなって思って。

五味兄:流れ的には俺も良いって。(岩城君に向かって)でもまた何か感じてたんじゃないの?

岩城:えっ、俺?

五味兄:うん。俺は感じてたんじゃないの?

岩城:俺はずっと「どうするんかな?」というのはあったけどなあ。

五味兄:ずっと言ってなかったっけ?

岩城:うん。

「どうするんかな?」というのは「中野君が」ってことですか?

岩城:うん。何と言うか、自分のやりたいことをちゃんと出してきてない感じもまだあって。『俺のバンドや』みたいな感じではまだなかったんですよね。だから次のアルバムを作るときにそのままやったらアカンのちゃうんかなって思って。

五味兄:それはでもあったな。

岩城:あったあった。そういうのはあった。まだちょっと気を遣ってるなって。

気を遣いつつやってるなというのは僕らから見ても思いましたけどね。うまくやってるなというのはすごく感じましたけど。

岩城:そのバランスがうまくやっていると言えばそうなんですけど(笑)。

五味兄:そうやな。元々フロントマンやった人が後で別のバンドに加入したっていうので、今までと勝手も違うし、そこで押さえ込んでいるものみたいなのがあるような気はしてましたけど。まあ、いきなり脱退とかになるとは思ってなかったんで。まあビックリした。

岩城:ふふふ。めっちゃ凹んどったもんな(笑)。

五味兄:俺やろ?(笑)俺は毎回凹むよそら(笑)。いや凹むやろ、そら(笑)。

一同笑い

オフィシャルサイトで中野君からの正式コメントがあったじゃないですか。言ってしまうとそれも当たり障りのないコメントで、辞める要因は何だったのかということは、はっきりしないままでした。ファンがとやかく言うことでもないのですが、話せる範囲で聞けたらなと思うのですが。

五味兄:中野が辞めた要因ってことですか?

はい。

五味兄:でも結局中野にしか分からないってのがやっぱりあると思うんですけど。

そうですね、結局そこですよね。

五味兄:でも、何やろ?

拓人:まあ諦めかどうか分からんけど、本人は諦めたつもりはないやろうから今でもバンドやってるんやろうけど、この3人と中野という人が一緒にやってきて、「たぶんこれ以上良くならない」っていうふうに自分で思ったんやと思います。だから次の音源の製作に取り掛かる前に、「俺は一緒にやらん方がいい」ってのは言ってましたね。

五味兄:うん。

拓人:その中で本人がどういう悩みがあったのかは分からないですけどね。

五味兄:なんでやろ?

岩城:いや、そうと思うで。

拓人:まあ、自分の中で決めたことやからな。俺らはもうどうしようもないもんな、そこは。

五味兄:うん。

中野君が抜けることが決まって、『今後どうするか?』という話し合いがあったと思います。考えられる選択肢として『バンドを解散する』、『新メンバーを探して活動を続ける』『残った3人で活動を続ける』という選択肢の中で、『3人で活動を続ける』という選択に到ったのは?

五味兄:中野から脱退の話があったとき、「後は3人で話し合ってくれ」って言って中野は帰ったんですよ、その日。そこからどうするかを3人で話して。次の日も集まったんやったけ?そのときだけか?

拓人:結局その日は練習をしないで3人で話し合いになって。

五味兄:そのときにもう3人でやるって決めた。やったよな、確か?

岩城:うん。一応パターン1が3人でやるか・・・・

五味兄:まず『解散はない』という方向で、そこで纏まったんですよ。『やるぞ』って。

岩城:そうやったっけ?

五味兄:そのときその日に。

岩城:でも一瞬(五味兄が)「俺はやる!」「一人でも続ける!」って言って(笑)。

五味兄:ふふ、ふふふふ(笑)。

拓人:残りの二人(拓人君と岩城君)は「どうしたいか?」、「まず自分がどうしたいか?」を考えてくれって(笑)。

五味兄:それが切欠で1回リセットしようというか。みんなもそれぞれに不満があったりすると思っていたから、そこで『どういう気持ちでこれから音楽に、バンドに関わっていくか?』を1回確認しておこうと思って。

岩城:中野っちが辞めたから、もしかして2人も・・・、そういう気持ちがあるんちゃうか、みたいに(笑)。

確認を行ったわけですね。

五味兄:そうですね。そうしたら「やる」って言って。「じゃあ3人でやるか」って言って。そこでまず『解散』という選択肢が無くなって。もう一人メンバー入れるか、どうするかというので、特に一緒にやりたいという人も、浮かばなかったですし。「3人でもいけるんちゃうかな?」という感じは漠然とあったんで。根拠はないですけど。

それはメンバー皆さん、同じ思いだったのですか?新メンバーを探そうという気は無かったということでしょうか?

拓人:その話し合いのときに「誰かおるかな?」って考えたんですけど、結局誰も思い浮かばなくって。一緒にやりたいなって思う人が。

五味兄: 1回清水が辞めて、そのときは「もう1人入れるしかない」、「4人でやるしかない」って考えてた。それで一度メンバーを探して、加入して、2年くらい一緒にやって、やってみたけどアカンかったっていうのがたぶん一番大きいとは思うんですけど。

はい。

五味兄:そのポジションにまた誰かを入れて一からやり直すっていう、そこに使うエネルギーが残ってないというか。それやったらそれを3人で新しいものを作る方に使った方がいいかなと思いました。

ファンの立場でお話しすると、正直清水君が抜けたときはかなり「ガーーーーーン」とショックでした。「これからどうなるんやろーーーー?」というくらいショックだったんですけど(笑)。

五味兄:ブログでも書いてましたよね。見ました(笑)。

今回は「せっかく良い流れで来てるのに、これは本当に残念やな。勿体無いな」というのは第一にあるのですが、3人で活動を続けることに関しては、バンドにとって良いことなのじゃないかなと思いました。このままやって行くよりも、良くなる面が出てくるのではないかと思ったから、悪い事とは一つも思わなかったですね。

五味兄:「 3人でやる」って発表があったときに、もうそう思ったんですか?

はい、そうですね。いい切欠になるんじゃないかなって。全然マイナスには思わなかったです。前回のことがあったので耐性が付いていただけかもしれないですけど(笑)。悪くなるってのは一切無いやろうなと思って。逆に面白くなるんじゃないかなって僕は思いましたけどね。反面、単純にギターが1本抜けて今までの曲をどうするのかなとは思ったりはしましたが。他のファンの人はどう思ったのかな、確かに残念に思っているとは思いますが、前ほどのダメージは無いのかな?

hanako:そう。清水君が抜けたときほどのショック感は他の人に聞いてもあまり無かったんですよ。

五味兄:それは清水が辞めたってことで、ちょっと耐性が付いているってことでしょうか?

hanako:それもあると思いますよ。

まあ今まで見てきたものから感じ取っていたものも、あるのだとは思いますけど。

五味兄:約2年一緒にやってきたと思うんですけど、結構短い、2年って短いじゃないですか。だから清水のときほどの思い入れも無いというか、変な言い方ですけど。アルバム1枚とミニアルバム1枚を一緒に作ったけど、中野が辞めるってなって、そこまで感情移入出来なかったというのがまあ本音というか。期間がやっぱり短かったですからね。

バンド名が小文字から大文字になったのは?

拓人:(間髪入れず)それはね、デザインとかTシャツとかタオルとかWEBとかでもなんですけど、小文字やと『g』が下のラインから出るんですよね。『l』が上に出るんですよね。

五味兄:そういう問題じゃないやろ?(笑)

ああ、なるほど。そうやけど(笑)。

五味兄:先、それが問題じゃないやろ?(笑) 先デザイン的な問題とかじゃなくて(笑)。

拓人:でも結構それもあるで(笑)。俺にはな。だから良かったなって。

大文字のTシャツも作りましたもんね。

拓人:そうそうそう。そういうデザインとか、画面とか、ものになったときに。

五味兄:それお前、7年くらいやってきて替えるのは別にそれは関係ないやろ?(笑)それ後付けやろ?(笑)

拓人:そこが小文字に対する不満やってん、俺は(笑)。

五味兄:ああ、ああ、ああ。下に出とるわっていうことで?

拓人:そうそうそう。配置がし難いみたいな。

そもそも何故小文字だったのですか?

五味兄:なんでやろな。たぶん清水が小文字って言い出してんな、あれ。

拓人:たぶんしみちゃんが小文字の方がしゃれた感じに見えるって。そういう軽い感じで。大した理由があるわけでもなく。

五味兄:清水が作ったロゴとかも使ってたし。そういうのを全部一度リセットというか、まあ気持ち新たにやりたいなっていう。メンバーも1人抜けて3人でやるとなって、今までの曲も出来るかどうか分からんから、この際バンド名も替えてもいいんちゃうかという話にもなったんですけど、それはちょっと勿体無いというか。今までやってきたこともあるし、今までやってきた曲もあるし、それやったらバンドの名前を替えずにリニューアルじゃないですけど、気持ちを入れ替えてやれるように表記を替えるっていうので替えた。デザイン的なこともあんのかな?

大文字から小文字になるよりいいですね(笑)。

五味兄:まあまあ、そうですね。ぶはははははは、それは変ですよね(笑)。

一同笑い

契約の話にも触れておきたいのですが、トイズファクトリーとの契約はどの時点で切れていたのですか?

五味兄:『GO』を出した後に、はっきりは言われてはないんですけど、『GO』がそんなに売れなかったじゃないですか。それで・・・、あれ何か言われたっけ?何となくそんな気配を出してきたよな。

拓人:まあ直接的にはっきり「終わりや」みたいな感じではなくて。トイズファクトリーという会社自体の来年の状態とかも考えて、次に契約を更新するのが難しいみたいな話は聞いていたんですよ。『GO』の今の実売数やったら。それで僕らは斉藤(正樹)さんと、じゃあ次ちょっと探した方がいいなという話をしていて。その「次探してます」ということをトイズファクトリーの担当ディレクター町田さんに言いながら、「次のレーベルをどうするか」みたいな話しをしとったんや。それを町田さんに言うか言わないかどうする?ということも話してたけど、結局斉藤(正樹)さんが「いや、言っていいやろ」という感じで。だから町田さんにもその意思を伝えつつ、次のリリース先を探してたんや。

五味兄:『GO』が包括契約じゃなかってんな。包括じゃなくてワンショットの契約やって。『DRAMA』のときが1年間の包括やったっけ?

拓人:うん、そう。

五味兄:だから『GO』はもうこれ出したら終わりみたいに先に言われていたから。そうですね。

で、AVOCADOに所属するに至った経緯は?

五味兄:AVOCADOには元々マスドレ(※2)が所属していて。『脳にはビート、眠りには愛を』の「母乳」のレコーディングでなっちゃんにコーラスで参加して貰った頃くらいに、AVOCADOの斉藤さん(※3)と知り合って。NUMBER GIRLの初期のエンジニアをやっていた人なんですけど。

エンジニアですね。

五味兄:その人がエンジニアをもう辞めて今はA&Rをやっていて。その頃によくライブとかで会ったりしてたんですよ。マスドレとはよく一緒にやってたんで。それで「一緒にやりたい」みたいな話は言われとって。そのときは『GO』を出すというのが決まってたんですよ。

斉藤さんからオファーがあったということですか?

五味兄:そうですね。そのときから「面白そうやな」と思ってたんで、「1回話してみようかな」みたいな感じですね。

それはタイミング的にはどのタイミングなのですか?

五味兄:具体的に話をしたのは『GO』ツアーが終わってからか?あれいつやったっけ?確か大阪で一緒に飯食ってたりしてたよね。

拓人:ああ、したな。梅田で。

岩城:それあれやで。あの・・・、コンピのレコーディングのMIXの後や。

五味兄:コンピのレコーディング?・・・、「じゃあ、さようなら」?

岩城:うん。

五味兄:ああ、それくらいのときか。

『BKTSツアー』のコンピCDのときですか?

五味兄:はい。

岩城:夏くらい。その後に二人の斉藤さん(斉藤正樹とAVOCADO斉藤さん)と話し合って。

五味兄:先にそっちで話してもらうんですよ。

ああ、マネージャーの方で。

五味兄:一応正式なマネージャーという感じではないんですけど、相談役というか。今までずっとやってきてもらってる。それでそこで話がまとまって、その後に関係者全員で集まったみたいな感じですね。

AVOCADO関連で言うと『KILL YOUR TV DVD』のこと(※4)にも触れていた方がいいかなと思っています。

五味兄:はい。

元々2月10日発売日だったのが、何の音沙汰もなく延期になったじゃないですか。

五味兄:はいはい。

本来バンドが説明することではないと思うのですが、話せる範囲で教えてもらえたらなと。

五味兄:あれは延期になったことをまず僕らが聞いてなくて。後で聞いたんですよね。そのDVDの担当者がいたんですけど、その人があんまり仕事が出来ない人で、全部中途半端なまま放ったらかしてたというか。それで結局ずっと何のアナウンスもないままになっていて。お客さんからも言われるし、会社からの説明もないし、で会社に聞いても「そいつに任せてるから」みたいな感じで、誰も責任を取らない感じで、ダラダラっときてたんで、「どうなってんねん?」みたいな感じで責任者に問いただしたところ、「こうこうこうで」みたいな感じで説明されたんですけど、それもほとんど嘘で。で、結局その担当者がどこかに逃げたんですよ。

逃げた?

五味兄:もう飛んだというか、もういなくなってしまって。あと、その尻拭いじゃないけど、レーベルの他の人が今やってるみたいな感じで。会社の内部事情とかは僕知らないですけど、そこがまずうまくいってなかったんじゃないですかね。情報がちゃんと来てなかったから。自分の映像とか音楽とかが、お客さんのところにちゃんと最初に話していたとおり伝わっていってないというのは、やっぱり自分としても気持ち良くないというか、無責任やなと思ってたんで、会社の人間ではないですけどそのことについて会社に突っ込んで。突っ込んで言ったことがうまくなかったかもしれないですけど、放っておいたら無くなりそうやったんで。

僕は正直無くなるもんやと思ってましたけどね。

五味兄:僕もちょっとヤバいなと思ってたんですよね。

あれ自分が買いに行ったんやったけ?

hanako:違う。私は問い合わせ先を探していて。『AVOCADO』で検索をかけたら問い合わせ先が無かったんで。

五味兄:はいはいはい。僕も探したけど無かったです。

hanako:それで今度AVOCADOに所属するっていう人のBLOGを見つけて、そこから探していったら、『EMIエンターテインメントジャパン』ってところがAVOCADOを扱っているみたいで。

五味兄:そうですね。EMIの中にあるインディーレーベル。

hanako:そうですよねえ。それが分かったからEMIに問い合わせのメールを送ったんですよ。「この日発売の『KILL YOUR TV DVD』というオムニバスDVDがあるはずなんですけど、どうなっているんですか?」って。そしたらすごい頓珍漢な答えが返ってきて(笑)。

五味兄:その質問の答えじゃなくってみたいな?

hanako:そう。で、「その日発売のものはマスドレのCDです」って。「マスドレのCDをよろしくお願いします」みたいに書いていて(笑)。

一同笑い

五味兄:そこでもたぶんうまくいってないというか。会社の中の会社みたいな感じなんで、そこでまず情報がちゃんとやりとりされてなくて。お客さんの方にもアナウンスがないし、もう何のことか分からんみたいな感じじゃないですか。たぶんEMIからしても。

岩城:完璧に担当者のところで止まってたんやろ。担当者で完璧に全部もう止まってました。

そこで?(笑)

岩城:そこで。全てが(笑)。

五味兄:まあ担当が全て悪いというわけでもないのかもしれないですけど、事情は分からないんで。でも結局逃げてるってことは、やっぱりそういうことなんかなと思いますけど。

僕は一個言おうと思っていたことがあって。2月10日に実際にタワレコとかに買いに行った人もいたそうで、でDVDが無くて、何もなくて、ショップの人に聞いても分からないみたいで。問い合わせ先を調べても出てこないと。正直な話、他の人もそうだと思うんですけど、これ『LOSTAGEも大丈夫なんかな?』と思った部分はありました。AVOCADOに対してはもちろん。ちょっと厳しいことを言うと、他のインディーレーベル、分かりやすくいうと、DISCHORDにしろDRAG CITYにしろSUBPOPにしろ、オフィシャルサイトがあれば、そこに住所、電話番号、メールアドレス、問い合わせ先、全部載ってるんですよね。何かあったときの連絡先を載せていないというのは・・・、うーーーーーん・・・

五味兄:詐欺くさいって感じですか?

詐欺くさいというか、そこにはリスナーに対する誠意は微塵も無いのではないかという疑いは持ってしまいます。

五味兄:ああ・・・

僕は会社員なのでその話をすると、物を売ってもらう、買う、取引する、契約を結ぶとかの話をするときに、相手さんの連絡先、所在地も無い、電話番号も無いようなところとは契約はしないですし、そこからものを買ったりするというようなことは有り得ない話なんですよ。

五味兄:はい。

音楽業界は特別だからみたいに思っているのかもしれないけど、一般的な社会から見たら、非常に『ぬるい』というか、『甘っちょろいな』という部分はすごく感じましたね。不信に思った人は僕ら意外にもたくさんいると思うんで・・・。

五味兄:そうですね。

その辺はレコード会社の人にも、これを読んで欲しいし、この話を聞いてどう思うかは分からないですけど、まず聞いてほしいなという部分ではありますね。ファンから見ても。

五味兄:たぶん、それを見たら彼らはちゃんとやってくれると思うんですけど。僕は仕事として音楽をやってる部分もあるし、そうじゃないところでやっている部分も大きいんで。契約のこととかも考えたりしますけど、まず音楽ありきで付き合ってる人と一緒に何か作るというので、ちょっと考え方が違うというか。やっぱりものを売るってなったときに、そこにスポットを当てて考えるっていうのは、そうするべきやと思うし、住所とか載ってないのもおかしいと思いますけど。僕らがものを作る上で一番大事にしたいのは、やっぱり人間関係とか人の繋がりなんで、会社にいる面白い人と、ものを作るっていうので、そこの会社と、斉藤さんとかと、何かを一緒にやりたいというのは一番大きかったんで。結構出来たばっかりのレーベルなんですよ、マスドレとかで。これからどうしたら良いかとか、会社の場所とかもまだちゃんと決まってなくて。今はEMIの本社の中にちょっと場所を借りてやってるみたいな感じで。まだ固まってないというか、まあ言い訳みたいですけど、一緒にやろうってなったときに、これからのレーベルやと思ったんですよね、すごい。これから何か面白いことが出来るかもしれないっていう可能性があったから、やっぱりそこでやりたいと思ったし。これから周りの人の話をいろいろ聞きながら、ちょっとずつ変えていけたらいいなと僕は思います。はい。たぶんやってくれると思います、その住所のことも(笑)。言っておきます(笑)。

一同笑い

ここで話を聞いていても、twitterやblogでの発言を聞いていても、バンドがすごく信頼を置いているというのはよく分かるんですけどね。敢えて言うと、アルバムも聞かせてもらって、後でまた触れますけど、すごく良いものが出来たじゃないですか。良いものが出来て、ライブも決まってと、順風満帆に進んでいくのは、もちろん良いことやと思うんですけどね、そういう後ろで支える人たちであったりの整備が出来てないまま進んでいくのは、ちょっと怖いし危険かなと思う部分はあるんですよ。すごくいいバンドで、五味君岩城君拓人君が好きなバンドでもそうだと思うのですが、長くファンに愛されているバンドって、たぶんそこがすごくしっかりしていることが多いと思います。僕が好きなバンドでもたくさんあるし。良い作品を作った今だからこそ、足元を固めてじゃないですけど、そういうところをキッチリ見て、話していってもらいたいというのが、おせっかいな話ですけど、ファンの願いのひとつだというのがありますね。

五味兄:そうですね(笑)。

拓人:大友さんも言ってたな。大友良英さん。

五味兄:大友さんって?あ、JAMJAMJAMの?JAMJAM日記か。

拓人:そうそうそう。