今日はバンド結成10年を記念しまして、その10年を振り返るインタビューを行いたいと思います。よろしくお願いします。
基本的にはファンサイトに掲載している『Profile(Biography)』を追いながら進行していきたいと思います。今日はいつもLOSTAGEを影で支えるツアーマネージャーである前田英克さんにも都度参加頂ければと思っています。よろしくお願いします。
2001年秋 地元奈良にてlostage結成
このときはまだ岩城君は参加していませんね。結成の経緯などは過去のインタビューで散々触れられていたので、lostage以前はどんなバンド活動をされていたのか教えてください。
五味兄:僕と弟とlostage初代ドラマーのイワブチという3人でメロディック・パンクよりのバンドをしていました。
メロディック・パンク?
五味兄:そうですね。最近はよく出てくると思うんですけど、ハイスタンダードとか、90年代の日本のメロディック・パンクやアメリカのその手のバンドに影響を受けてバンドを始めたんで。そういう影響が濃く出ているバンドを。
BAD BEE PEEという名前でしたっけ?
五味兄:そう。
昔はインターネットで検索したら引っかかったりしていたのですけど、昨日見たらもう消えてしまっていましたね。
五味兄:あっ、それは生駒のライブハウスRHEB GATE(レイブゲイト)のHPですね。そこに出たときに連絡先とかを書いたら、それがそのまま載せられて。それがずっと。僕の携帯番号もそのまま載せられてしまって(笑)。そこに清水が加入してlostageになって、みたいな感じですね。そのBAD BEE PEEというバンドで岩ちゃんと清水が一緒にやっていたバンドと対バンしていたんですよ。
それは何というバンドだったのですか?
岩城:生活排水っていうバンド(笑)。
五味兄:ふふふ。まあオルタナ・グランジみたいな。NIRVANAみたいな感じですね(笑)。まあ奈良にはシーンみたいなものがあまり無いんで。対バンとかブッキングとかもグチャっとした感じやったんで、よく一緒にやってたんですよ。それで知り合って。清水が生活排水をクビになってんな。
岩城:そうそう。生活排水をクビになって、清水が。
2002年 春に自主制作でCD-Rをライブ会場のみで販売。
拓人:3曲入りのやつで配布ではなくて300円くらいで販売していましたね。
五味兄:神戸で録ったやつやっけ?
拓人:そうそうそう。
五味兄:確か神戸の猫屋敷で。
確か前ギター中野君が当時やっていたFAHNERS WITCHも参加していたコンピの音源に入っているのも同じ音源ですよね?
五味兄:そうそうそう(笑)。『SUPER SONICS』(当サイト『discography』を参照下さい)っていう。懐かしい。
拓人:このときはもうドラムが海生君に替わってたんやっけ?
五味兄:そう。磯部海生っていう2代目のドラマーに替わっていて。
ドラマーは今で3代目ということですね。
五味兄:そうですね。
海生君がいたのはこのときだけですか?
拓人:1年くらい。
そのCD-Rに「人間ロボット」「少年」「2:50」の3曲が入っています。驚いたのは結成して半年くらいで、かなりしっかりとしたlostageサウンドが出来上がってしまっているということでした。
五味兄:あんまり変わってないですよね、アレンジとかも。音の質とかはやっぱりちょっとしょぼいけど。
根幹となるものがこの時点で出来上がっていることにとても驚きました。BAD BEE PEEのメロディックパンクから、どうやってここに至ったのでしょうか?
五味兄:3人でメロディックっぽいのをやっていたときから、ギターをもう1人入れてもうちょっと・・・。ちょうどJIMMY EAT WORLDとかエモブームみたいなのがあったんですよね。90年代エモみたいな。そういうのに感化されつつ。THE GET UP KIDSとかか?
拓人:で、NUMBER GIRLとか9 DAYS WONDERとか、そういう日本のアンダーグラウンドから出てきたような人たちを僕らも清水の影響で聴き始めて、そういう感じになりました。
五味兄:たぶんやりたい音楽というか、こういう感じにしてくるというか、lostageというバンドになってからは、あらかじめあって。まあそれを録ったみたいな感じ。それがあんまり変わってないから。
拓人:その辺からあんまり変わってないはず。
そうですね。
五味兄:やりたいこと自体が変わっていない。
ブレていないですね。
2002年7月 大阪のVANAI RECORDSより500本限定の1stデモテープを発売。 (同時期にDrが脱退し現メンバーに至る)
これも500円で販売していたんですよね?
五味兄:「人間ロボット」と「手紙」の2曲入りですね。
ファンサイドからバンドの歴史を見たときに、ひとつのエポックメイキングとして「手紙」という代表曲が誕生したということがあると思います。
五味兄:でもこの時は別に代表曲になるとは思っていなくて。全然。
そうなんですか?
拓人:ああ、そうやな(笑)。
五味兄:出来たときも「この曲めっちゃいい」とか、そこまでの感じでもなかったんで。
ああ、そうなんですか?
岩城:「手紙」ですか?
五味兄:「手紙」(笑)。
岩城:ああ。
拓人:どちらかと言うと、それを聴いた人が「いい!」となって、そうなったのかな?
五味兄:俺は未だに、そんなにみんなが言うような感じなのかは、やってても分からへん(笑)。
拓人:俺もみんなが言うほど、「そんな代表曲かな?」って感じですけどね(笑)。
ええーーーー、そうなんですか?(笑)ウソ?
五味兄:まあもちろん、言われて気付くこととかもあるんで。
岩城:俺も入るとき、そんないい曲やと思わんかった。
一同笑い
そうなんですか?衝撃ですね(笑)。
岩城:全然曲の構成とかも覚えられなくて。パッとしない曲やなとずっと思っていたんですよ。
五味兄:でも、どこがどういいかって、分からないですよ。
岩城:逆に聞きたい。
前田さんこれに関して何かありますか?
前田:名曲じゃないですか(笑)。
名曲だと思いますけどね。
五味兄:この時点ではそんなに持ち曲も無かったんで。いくつかある中の1曲でしかなかったかな。未だにやっているという意味では、やっぱりどこかでいい曲だと思っているというか、ずっとやってきた曲だという思い入れはやっぱりありますけどね。でも曲自体がいいかどうかは・・・。
岩城:まあ歌詞がいいからちゃう?
五味兄:歌詞はいい。でも歌詞もそんなにねえ。自分で書いているから、いいか悪いかも分からへん。
岩城:いいと思うけどな。
五味君はあんまり歌詞のことを言われるのは好きじゃないですね。
五味兄:あんまり自分では分からないんですよね。
「人間ロボット」もバンドを知ったときはライブでしか聴けない曲だったので、「すごい曲やな!」と思ったのをよく覚えていますけどね。このときに海生君が脱退して岩城君が加入したのですよね?
五味兄:そうそう。あれ、なんで脱退したんやったっけ?
拓人:海生君?海生君はこれからバンドをどんな感じで動かしていこうというビジョンとして、そのときは僕らはメジャーに行くとかそんなことも考えてなかったけど、ドラムの磯部君は「絶対にメジャーに行かなバンドなんかやっていても意味がない」みたいな、変なバンド感みたいなのがあって。
五味兄:あっ、そうや(笑)。
拓人:で、だんだんそれが僕らの聴く音楽とかに対しても、2人が「これ、めっちゃいいな」っていうよなやつでも、「こんなことやっててもアカンわ」みたいな、そういうズレが出てきて。
五味兄:そうや(笑)。
拓人:「こいつとはこの先一緒にやっていけない」みたいな。
意見の食い違いですか?
五味兄:音楽に対する考え方の違いですね。
岩城:1回ラーメン屋にさ。そのときのlostageの4人と僕の5人でラーメンを食いに行って。ずっと海生君と(五味兄が)二人でケンカしてて。
五味兄:俺が?
岩城:うん。よう分からんけど、なんかケンカしてるのを思い出した(笑)。
五味兄:なんでおったん?(笑)
岩城:分からへんけど(笑)。
拓人:結構頑固なやつやったんですよ。
五味兄:最終的に「自分で会社作る」と言って辞めていったんか?
拓人:そうそうそう。
五味兄:まあ変なやつやったんですよ。
脱退ですよね?
五味兄:脱退です。
基本全部脱退ですよね、メンバーが抜けるのはね。
五味兄:そうですね(笑)。
拓人:そのとき確か、もう次のライブが決まっていて。「どうしよう?」ってときに、「じゃあ清水が一緒にやっていた岩ちゃんにまずはヘルプで何曲か叩いてもらおう」みたいな感じで誘ったんや。
過去のいろんな媒体のインタビューでも確か最初は岩城君はヘルプでというのを読みました。「今日から正式に」みたいなのはあったのですか?
岩城:なんかありましたね。
五味兄:「この日から」というのはあんまり覚えてないけどありましたね。
拓人:なんかそういう、そろそろみたいな話は。それで何回かやって、「どうする?」みたいな話をしたのは何となく覚えてる(笑)。
岩城:たぶん『DEMO CD』作る前と違うかな。
五味兄:そうやな。
岩城:うん。
岩城君は入ってみてどんな感じやったんですか?いざ叩いてみて。lostageのファーストインプレッション。
岩城:ああ。まあ清水とはずっとバンドやってたんで。全然違和感も無く。バンド自体も同じライブハウスでやってたこともあって、ずっとライブを見ていたんで。好きなバンドやったから。まあ予想通り「しっくる来るなあ」って感じでしたけどね。
2003年7月 バンドとしては1年ぶり、Dr岩城が加入後初の音源を『DEMO CD』という形でVANAI RECORDSより発売
ここに収録されている3曲がもうデモの域を超えているというか、よく出来た音源だなと思っていまして。この3曲って全部次の『PLAY WITH ISOLATION』に入っているじゃないですか?ファンの1人としてはこっちの方が好きだというのがあります。
五味兄:あっ、デモの方が?
はい。『PLAY WITH ISOLATION』の方は別テイクというか別バージョンとして聴きますけど。こっちの方が思い入れがあるというか。
五味兄:『DEMO CD』ってどこで録ったんやっけ?
拓人:VANAIのやつは・・・
岩城:あれや、大阪のスタジオ。GOOD4NOTHINGが練習に来てるスタジオや。
拓人:M4や。
五味兄:M4 STUDIOですね。
VANAI RECORDSの日記があったじゃないですか。あれ今でも全部見れるんですけど。
五味兄:アイランドのやつですか?
そうそう。アイランドの。その頃のレコーディングのときの日記も全部読めるんですよ。
五味兄:懐かしいなあ(笑)。
この間も確認したんですけど、まだ残ってるんですね。今見ると結構面白い。
五味兄:今も続いてるというわけではなくて?
拓人:へえーーー。全然覚えてない。
最近書いてないみたいですけど。今ロストエイジのファンの方でも知らない方がいると思うので、見ると面白いかもしれないですね。
五味兄:ちょっと見てみます。
2曲入りの『DEMO TAPE』のときのレコーディングのことから『DEMO CD』のレコーディングのこと。あと『P.S.I miss you』のレコーディングのことまで。
拓人:あああ、そうか。あの時ハマモも来てたもんな。
あれ、すごい資料ですよ。面白い。
岩城:へーーー。
五味兄:M4で録って沢井さんがミックスしたのがこれか。
この頃の音楽的な面で言うと、清水君の色がまだ強かったのかなと感じるのですが?
拓人:どうなんやろな?
五味兄:でも僕思うんですけど、最近になって清水とやってたときのとか、中野がいたときのを改めて聴いたら、やっぱりそのときにいたやつの感じが、最近めっちゃ分かるようになった。最近やっと、そこから抜け出したなみたいな感じなんで。今思ったら清水のカラーというのが出てたなと思いますね。
拓人:な。
五味兄:なんでそんな顔なん(笑)?
拓人:いや、前も言ってたやん。確かに最近の3人になってからの・・・。
五味兄:悔しいねん。「認めたくない」っていうのがあるんで(笑)。
一同笑い
五味兄:あんまり言いたくないけど、あいつらのカラーはそれぞれ出てたなって、めっちゃ思いますね(笑)。
拓人:3人の前のアルバム(『LOSTAGE』のこと)と今回の新しく作ったやつを聴いてると、昔のやつの独特な雰囲気みたいなのはやっぱ無いし。逆に言ったら今の雰囲気にはならんかったしというのは、聴いていて自分でも思いますね。
五味兄:結構お前のギターとか全然違うからな、二人。
拓人:違う。
岩城:俺はそんなに変わってへんで。僕そんなに変わってないですけどね。
五味兄:ドラムは。そらそうや。
それを今ちょうど聞こうと思っていたところで。岩城君のドラムってすごく特徴的じゃないですか。僕らもlostageを初めて見てビビッたのは、まあ「うわ、デイブ・グロールがおる」って思ったんですけど。
岩城:はははははは。
五味兄弟は初めて岩城君を見たときはどう思いましたか?
五味兄:僕は生活排水を見たときに、スゲーなって。そのとき初めて見たときにすごい髪型をしていて。三つ編みで横が全部無くて、ミクスチャーのすごく怖い人みたいな感じで出てきたから、しかもガリガリで。ドラムもすごかったしインパクトがめちゃくちゃあって。でもまさか一緒にやるとは思ってなかったから。すごいドラムのやつがおるなと思ってましたけどね。で、一緒にやってみてやっぱ出音もすごい。ライブで見ても分からない生の出音ってあるじゃないですか。すごいドラム叩いてるなって未だに思いますけどね。
拓人:まあまあやな(笑)。
まあまあ?
拓人:ウソです。相当すごいと思ってます。でもなんか俺、岩ちゃんが入ってから、どれぐらいやろな、岩ちゃん入ったのいつや?2003年か。ここからたぶん3年間くらいはあんまりしゃべった記憶ないわ。
岩城:うん。俺もそんな気がする。
五味兄:心開いてなかった?
拓人:もともと自分の思っていることとか、あんまり言わない性格の人やから。
3年ということは『PLAY WITH ISOLATION』くらいまで。
拓人:たぶん。
五味兄:しかも4人いる内の1人やったから。
拓人:ライブの帰りとかで2人だけになったら、何をしゃべっていいか分からんみたいな。そういう感じでしたね。
五味兄:気まずい(笑)。
岩城:どっちかと言うと、最初に誘われたんが清水からなんで、高校のときから知ってるから、どっちかと言うと清水としゃべってることの方が多かったんで。
五味兄:傍から見ても「仲いいなあ」みたいで。僕らはねぇ、兄弟でずっといるから。
僕らも、もし最初に脱退するなら岩城君かなと思ってましたけどね(笑)。当時は。
拓人:という不安も一時期あったな。
五味兄:あった。こいつやめるんちゃうかなって。
拓人:ほんまは段々面白くなくなってきてるんちゃうかなって。突然辞めるんちゃうかなっていう、そういう不安は。
不安はあったよな。ファンから見ても。
hanako:うん。
岩城:僕やっぱ急に辞めそうでした?
hanako:もういいわ。俺はやることやったから辞めるわみたいな。
拓人:あんまり相談なく辞めそうじゃないですか。突然、もう自分で決めてから。
岩城:そうですね。その通りですね(笑)。
一同笑い
どの段階でそれが無くなっていったのですか?
拓人:はっきり「ここで」みたいなのはないんですけど、一緒に長い時間かけて移動とかライブとかをやったりして、段々どういう人か分かってきたみたいな。
岩城:まあでも、清水が辞めるってなったときくらいちゃう、やっぱ?
五味兄弟:(声を揃えて)ああ、そうやな。
拓人:それが結構大きかったと思う。その時点で岩ちゃんが「いや、それでもやろうや」みたいな感じで言ってたんで、ちょっとホッとしたというか。
五味兄:そうや。毎回そうや。
拓人:そうやな。
五味兄:清水のときも中野のときもそうや。
2004年7月 UK PROJECTから自身のレーベル「qoop music」を立ち上げ5曲入りミニアルバム『P.S. I miss you』を発売。
僕らがlostageというバンドを知ったのもこのアルバムが出てからなんですよ。CDを聴いて格好良いなあと思って、ライブに行って、すごいバンドがおるんやなと思って。これ前のファンサイトのインタビューでも言ったんですけど。
五味兄:bloodthirsty butchersのときですよね?心斎橋DROPか?RAINER MARIAのときかな?
そうそう、その辺ですね。その前にも1回十三ファンダンゴでも見てますね。
五味兄:ああファンダンゴ。
今思うと、すごいね、嘗てないドキドキ感がありましたね。こんなバンドがおるねんなって。で、当時雑誌なんかで言われてたのは「大型新人」、「日本人離れした」っていうのはことごとく枕に付いて紹介されていましたよね。
五味兄:それよく聞きましたね(笑)。
今当時を振り返ってみると?
拓人:どうなんやろなー。
岩城:どうなんやろ。
五味兄:でも自分で大型新人って思ってないですし(笑)。
全キャリアの中で僕はこの『P.S.I miss you』が一番好きなんですね。今思うのはこの時点で第1期ロストエイジサウンドの根幹となる部分はもうこの時点で完成していたのかなと。
五味兄:でも僕らの思っている完成形と、傍から見た、お客さんとか音源を買って聴いてくれた人の出来上がっている感じとは、また違うような気もするんですけどね。インパクトとか。
はい。
五味兄:作っている側はもっとうまく演奏したいとか、もっと聴きやすくしたかったり。やっぱこれって荒いとこもあるというか、まあそれがいいみたいなのももちろんあるけど、これで俺全部出来たな、全部やり切ったなというのは俺全然無かったけどな。
なるほど。
五味兄:作った瞬間に「あ、いいな」と思ったけど、「じゃあ次こうしたいな」というのはすぐに出てきたし、なんか未完成のまま終わった感じがしますね。録音経験自体がそんなに無かった。ちゃんとしたスタジオに行って、MIXまで全部立ち会って、っていうのが。そこまでガッツリ周りのスタッフとかを交えてやったことがあまり無かったんで。
岩城:このミニアルバムはクリックで録っているんですよ。バラ録りなんで、たぶん聴き易いんじゃないですかね。整ってるねん。
整ってますね。
岩城:はい。そういうのもあるかもしれないですね。
五味兄:一発で録ってなかってんな、そういえば。
岩城:完璧ドラムから録って、バラ録り。
拓人:そういうもんやと思ってたもんな。レコーディングというものは。
五味兄:そうやな。
拓人:自分らのやり方も全然分からんかったし。結構僕らが出したい音というよりはエンジニアとか、第三者の人が「こうした方がいいんちゃう?」というのに乗っかってやったような感じですね。
これだけキレイですよね。音が。
五味兄:音の分離もいいですよね、そう考えれば。でもこれだけやな。次から一発録り。違うっけ?
岩城:そうそう。
今もそんなに思い入れはないのですか?1stという意味で?
拓人:でもやっぱこれが出たときは、初めて東京のUKプロジェクトというところから自分らのCDがちゃんと発売されて、そのときに雑誌のインタビューとかも取ってきてくれて、初めて自分らが・・・(笑)。何やろ(笑)、何かあったよな、そういうの?
五味兄:あった(笑)。ふふ。『ロッキンオン』に載ったみたいな(笑)。
拓人:「初めてCD出した!」みたいな。そういう。
五味兄:この音源がどうというより、出たことで(笑)。
拓人:それまで自主でやっていたから、初めて目に見える形で世の中に出たなっていう。
第一歩ですよね。
五味兄:そういうのを意識する切欠にはなりました。
拓人:だから「俺らCD出したぞ!」みたいな、そういう喜びはすごいありました。
lostageに限った話じゃないんですけど、1stアルバムってバンドがそのときに持っているもの以外のものが乗っかってくることがあるじゃないですか。結果的に本来出したい感じと違う感じになってしまっている。さっき五味君が言っていたのもそうなのかもしれないけど、ただ聞く側からからすると、そこが、本来バンドが持っているものにプラスされて何かスパイスなり、時には魔法なりがかかって、面白い形になったりするのは1stアルバムだけなんちゃうかなと思って。
五味兄:それはでも(笑)、そうですね。そうですねと認めたくないけど、まあそうですね。でも、それはもう出せないです。こなれてきてしまうんで(笑)。
出せないですね(笑)。
岩城:でもどのバンドでも聴くときは実際そうやなあ。1stだけなんか・・・
五味兄:「1stが良かった」って言われたくないし、言いたくないけど、まあそうですね。
岩城:確かにそうやわ。
拓人:今って2011年?
五味兄:何やねん(笑)?
拓人:ということは7年前。
7年前ですね。
拓人:21歳か、24歳か?
五味兄:平均年齢22歳って言われてたから。
21歳とか22歳とか言われていましたね。
五味兄:そうですね。
拓人:このときはなあ。「俺21歳でCD出した!」って、これはもうなんか。
うれしかった?
拓人:そうそう。これは俺は年齢的にも早い方やとか思って。
五味兄:あんまり言うな、お前(笑)。
拓人:そのときは、この先の未来は明るいとばっかり思ってた(笑)。
五味兄:でもかなり、「行ける!」って思ってたからな(笑)。
そういうのも聞きたかったんですよね、すごい。
拓人:俺はもうなんか、この時点で俺はもう成功したみたいな感じになってたもんな(笑)。
五味兄:何にも分かってなかったんで(笑)。
拓人:そうそう。「CD出た!」みたいな。
五味兄:売れると思ってたしな、漠然と。
岩城:MIXしているときも、終わって上がって来た曲を聴いて、「絶対売れる!絶対売れる!」みたいな。ずっと言ってました(笑)。
五味兄:絶対格好いいって。
岩城:「もう売れた」って。
拓人:それはでもずーーーっと変わってないですけどね(笑)。
一同笑い
五味兄:言うなよ(笑)。ふふふ。
拓人:レコーディングが終わって、毎回絶対、自分らの録ったのをめっちゃデカイ音でイヤホンで聴いて、それがめっちゃ音漏れしてるんですよね、シャカシャカシャカシャカって。1人で聴きながら「めっちゃええ!めっちゃええ!」って(笑)。
岩城:はははははは(笑)。
五味兄:まあそう思いたいじゃないですか、もちろん(笑)。
拓人:未だにやってますからね(笑)。めっちゃ覚えてるわ。
五味兄:そんだけ愛情を持ってやってるってことです。
2006年1月 UK PROJECTより待望の1stフルアルバム『PLAY WITH ISOLATION』をリリース。
初のフルアルバム。このときはライブで新曲をいろいろやりつつ、過去のマテリアルと新しい曲とを混ぜて作ったアルバムだったじゃないですか。僕的にはですが、この作品で一番大きかったのは「人間ロボット」という曲が入手困難な『DEMO TAPE』ではなく、CDとして皆の手に届くようになったことがうれしいと思いました。一方アルバムとしては、一つの作品としてはこれが一番聴きにくいんですけどね、僕は。
五味兄:聴きにくい?
はい。
五味兄:曲がってことですか?音像?
アルバムって一度再生ボタンを押したら必ず最初から最後まで通しで聴くんですよ。これは一つのアルバムとしては聴きにくい感じがします。
拓人:ああ、全部バラバラで入っているという感じ?
そう。でも以前にファンサイトで行ったアンケートではこれが人気投票1位なんですよね。
拓人:でもあれじゃないですか?『P.S.I miss you』よりも、これから入った人が多いからじゃないですか?これを出してちょっと話題になって雑誌とかで目にするようになった人が、これを買ってというのがあるからじゃないかな。
五味兄:でもそのときある曲を全部入れるみたいな感じやって。ちゃうっけ?
岩城:そうやな。昔からある曲をまとめた。
五味兄:とにかく出来上がった曲をまとめてアルバムに入れるみたいな感じやったような気がするな。テーマとかも別に無かったやんな?
岩城:テーマは無い。
前田さんがロストエイジを知ったのはどの時期ですか?
前田:その時期くらいです。
切欠は?
前田:以前UKプロジェクトにいた斉藤正樹の紹介かHOLSTEINの紹介で。
そのときどう思いましたか?
前田:年齢よりは大人びた感じのバンドだなと思いました。
一同笑い
それは音が?
前田:はい(笑)。